南留別志268

荻生徂徠著『南留別志』268

一 鞨鼓(かっこ)の手に、らいといふ事あり。擂(らい)の字なり。家の譜には、来の字あり。音をかへたるなり。


[語釈]

●鞨鼓 羯鼓とも。雅楽で使われる打楽器で、鼓の一種。奏者の正面に横向きに置き、先端を団栗状にしてある桴を使って左右両面を打つ。主に唐楽で使われ、曲が始まる合図を出す指揮者の役目を持っており、羯鼓の奏者が桴を手にすることが、他の奏者達に演奏開始を伝達する印となる。 

●らい 現在は「来」が一般的。桴(ばち)で連続して打つ演奏法のこと。左の桴のみで打つ「片来」と、両方の桴で左右の面を交互に打って行く「諸来」がある。単独で右片方の面のみを打つのを「正」という。(図は「アジアの楽器図鑑」より)

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