南留別志235
荻生徂徠著『南留別志』235
一 蛭子(えびす)尊のかたちを、ゑ(笑)みたる顔ばせにかく事は、ゑびすをゑみじともいふより、絵かく人の心得て、かくはからへるべし。
[解説]「蛭子」は日本神話に登場する神「ヒルコ」だが、「えびす」とよも読み、この場合は七福神の一員を指す(唯一、日本の神)。徂徠もこの意味で「なぜえびすは笑い顔なのか」という疑問について私見を述べている。「ゑ」は「笑み」の意味があることから、絵描きの計らいで今のようになったのだろうとする。元は漁業の神でもあり、後に留守神、さらには商いの神ともなり、今は商売繁盛の神として崇められている。
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