南留別志223
荻生徂徠著『南留別志』223
一 「やなぐひ」は、矢の笈なるべし。上総の国に、「あらぐひ」といふ所あり。新笈とかくなり。
[語釈]
●やなぐひ やなぐい。胡簶・胡籙。矢を入れて携行する道具。右腰につける。靫(ゆぎ)から発達したと思われる筒状の壺胡簶(つぼやなぐい)、箙(えびら)に似て扁平な平胡簶(ひらやなぐい)などがある。奈良時代に盛行したが、平安時代に箙が出現すると、公家が儀仗(ぎじよう)に用いる以外は衰退した。ころく。
●笈 [音]キュウ(キフ)(漢)[訓]おい 荷物や書籍を入れて背負う竹製の箱。「書笈・負笈(ふきゅう)」。他に、修験者(しゅげんじゃ)などが仏具・衣服・食器などを収めて背に負う箱のこと。
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