南留別志212

荻生徂徠著『南留別志』212

一 なでふこと(なじょうこと)とは、何といふ事なり。


[語釈]

●なでふこと 連体詞「なでふ」+名詞「こと」で、何ということ、大したこと。多くはこのあとに形容詞「なし」がついて、「なでふことなし」という連語として使われている。何ということもない、大したこともない。「なでふ」は「なにといふ」→「なにてふ」(なにちょう)→「なんでふ」(なんじょう)→「なでふ」(なじょう)と変化した副詞。なんで、どうして。疑問・反語の意を表す。漢文訓読の「なんぞ」に当たる。徂徠の説明はこれに基づいている。

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