南留別志209

荻生徂徠著『南留別志』209

一 女の文(ふみ)に書く「かしく」は、恐惶(きょうこう)なり。惶根尊(かしこねのみこと)あり。


[語釈]

●恐惶 恐れかしこまること。つつしんで申し上げる意の「謹言」とあわせて、相手に敬意を表するために手紙の末尾に用いる語「恐惶謹言」として使われている。「敬具」「敬白」よりもかしこまった言葉。女性の場合は「かしく」(かしこ)が使われるが、徂徠は恐惶と同義とする。 

●惶根尊 記・紀にみえる神。神世七代(かみよななよ)中の第6代の神。男神の面足尊(おもだるのみこと)とともに生まれた女神。「古事記」では阿夜訶志古泥神(あやかしこねのかみ)。

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