南留別志204

荻生徂徠著『南留別志』204

一 桃花鳥、「つき」とよむ。鴇(ホウ、とき)又鴾(ボウ、ム、とき)ともかく。「とう」ともいふ。今の人は「とき」といふ。田舎の人は、「ときとう」といふる


[語釈]

●桃花鳥 トキ。現在は「朱鷺」と書くことが多いが、元来はこのように表記した。奈良時代の文献には「ツキ」「ツク」などの名で現れており、『日本書紀』『万葉集』では漢字で「桃花鳥」と記されている。平安時代に入ると「鴾」や「鵇」の字が当てられるようになり、「タウ(とう)」「ツキ」と呼ばれていた。「トキ」という名前が出てくるのは江戸時代で、「ツキ」「タウノトリ」などとも呼ばれていた。絵は森立之『華鳥譜』(1861年)に描かれているトキ(服部雪斎画)。

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