南留別志186
荻生徂徠著『南留別志』186
一 延喜式(えんぎしき)にのせたる薬種(やくしゅ)を見れば、今の世の医術に用ふる品にあらず。千金万、外台秘要(げだいひよう)などの流なるべし。異国も宋朝より医術一変したり。
[語釈]
●延喜式 平安時代中期に編纂された格式(きゃくしき。律令の施行細則)で、三代格式の一つ。格式(きゃくしき)とは、律令の補完のために出された法令あるいはそれらをまとめた法令集のことを指す。格(きゃく)は律令の修正・補足のための法令(副法)と詔勅を指し、式(しき/のり)は律令の施行細則を指した。
●外台秘要 六朝から唐代にかけて用いられていた薬の処方を集めたもの。編者は唐の玄宗の末年に河南省安陽の太守であった王燾で,天宝 11 (752) 年の自序がある。本書は引用文に必ず出典が明記されているので,当時の医書を知るうえでも貴重な資料となる。現存する伝本には当初の完全なものはく、北宋時代の刊本が現存するが,流布本は山脇東洋が明時代の刊本をもとに延享3 (1746) 年に復刻したもの。
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