南留別志182
荻生徂徠著『南留別志』182
一 藤原恵美押勝(ふじわらのえみのおしかつ)といへるは、姓を二つかさねたるなり。備前の王藤内(おうとうない)、又安藤といふも同じ事なり。小河(おごう)の系図の内に、小河垣谷とかさねてなのるあり。苗字をかさねたるためし、昔はあるなり。
[語釈]
●藤原恵美押勝 藤原仲麻呂(ふじわらのなかまろ)のこと。奈良時代の公卿。名は仲麿または仲丸とも記される。淳仁朝以降は改姓・改名し藤原恵美押勝。
●王藤内 備前の大守。王藤内隆盛は曽我十郎祐成(すけなり)・五郎時致(ときむね)兄弟の仇討ちに巻き込まれ、富士の裾野で死去した。隆盛は大守王藤内家では中興の祖とされている先祖。
●又安藤 不詳。
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