南留別志181
荻生徂徠著『南留別志』181
一 後の世に作りいでたる物は、名にて(照)らしし(知)らるゝなり。見台も文台なり。わきざし(脇差)も刀なり。
[語釈]
●見台 けんだい。「書見台」の略。書物をのせて読むための台。
●文台 ぶんだい。平安時代に儀式や歌合、釈奠(せきてん)などで用いられた甲板1尺5寸×1尺・高さ3尺の黒漆塗りの4脚の台で、詩歌を記した懐紙を載せた筥(はこ。「文台の筥」)を載せるために用いられた。後には硯箱の蓋を仰向けにして文台の筥の代替とする場合もあった。室町時代に入ると背の高い文台が廃れ、代わって文台の筥として要素を併せ持った高さの低い文台が作られ、これに硯箱や書籍等も載せるようになった。
[解説]後世に作られた物は、その名前から元になったものが分かるということ。太刀より小さい刀は、太刀の脇に添えて差す刀ということで、これも刀の一種ということ。
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