南留別志166

荻生徂徠著『南留別志』166

一 度牒(どちょう)といふ物も、鎌倉の比(ころ)までありしなり。


[語釈]

●度牒 国家公認の得度(とくど。仏教における僧侶となるための出家の儀式)に際して、国家機関によって新たに得度した僧尼に交付される身分証のことである。出家得度の証明書。公験(くげん)、告牒(こくちょう)、度縁(どえん)ともいう。朝廷と無関係に成立した鎌倉新仏教や真言律宗は、太政官に替わって宗派の名において独自の度牒を発行するようになった。江戸幕府は各宗派の独自発行を認めたが、替わりに発行元を本山に限定する事で統制を行った。明治維新後はこうした規定は廃止され、各宗派それぞれの規定に基づいて(大抵は得度時に)度牒を交付する事になっている。

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