南留別志137
荻生徂徠著『南留別志』137
一 序破急といへるは、楽(がく)より出でたるなるべし。破は慢の声(せい)の転じたるなり。
[語釈]
●序破急 舞楽・能楽の構成形式。全曲を序・破・急の三部分に分ける。転じて、曲や舞の進行の速さの変化。能楽のほか、連歌、蹴鞠、香道、剣術、抜刀術、居合道、茶道など芸道論で使用される。脚本構成としては、能に限らず、浄瑠璃および歌舞伎等においては、 日本では中近世以降、伝統的に用いられてきた。
●慢 緩慢の慢の意で、調子がゆるやかにのびること。「破は慢の声の転じたる」は、「慢」(マン)という音が「破」(ハ)という音に転訛したということだが、徂徠の詳しい説明が欲しいところである。
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