南留別志124

荻生徂徠著『南留別志』124

一 「ひやうは」(ひょうは)、「すいはのかぶら」といふは、穴なきかぶらと、穴ある鏑矢(かぶらや)と、箭(や)の飛び行く声のかはりあるよりいへるなり。「ひやうふつと射きる」などいへる語の類なり。兵破、水破、或は風破とかき(書き)などする僻事(ひがごと)なり。


[解説]古くから矢が飛ぶ時、的に当たる時の音を「ひやうふつと」などと形容しているが、あくまで矢の構造の違いにより出る音に違いがあるまでのことで、兵破、水破、或は風破などともっともらしい漢字を当てるのはよくないとする。例「よっぴいてひゃうふっと射る」(平家物語 九・二度之懸)

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