南留別志119
荻生徂徠著『南留別志』119
一 御門跡(ごもんぜき)は、御門の跡なり。方料(かたりょう)は御方料(おかたりょう)なり。公家の子どもによめとりたる時、其料を与へたるなるべし。武家の威勢にて、御の字を附けたれば、わけもなき詞となれり。浄土宗の知恩院門跡は浄土門主(もんす)という。
[語釈]
●門跡 皇子・皇族や、公家の子弟が、その法統を伝えている寺院。元来は、仏教の開祖の正式な後継者のことで「門葉門流」の意であった(この場合は門主とも)。鎌倉時代以降は位階の高い寺院の寺格を指すようになり、それらの寺院を門跡寺院と呼ぶようになった。
●御方 おかた。奥方。貴人の妻の尊敬語。
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