南留別志94
荻生徂徠著『南留別志』94
一 「石榻」を「いしずり」といふは、「摺」の字を誤れるなり。
[解説]「いしずり」は石碑などの文字を紙に摺(す)り取ること。また、摺り取ったもの。拓本(たくほん)。よって「摺」の字が正しいが、字が似ている「榻」が古くから混用されてきた。
上は「デジタル大辞泉」より。「搨」の字は「する」という意味があるのでかまわないが、木へんの「榻」(トウ・しじ。寝台にもなる長椅子。石榻は石製の長椅子)は全く意味の違う字である。
なお、「石榻」を今も「いしずり」と読むことが多いので、下のような解説も検索で出てくる。徂徠の説明によらずとも、字義の上では本来誤用である。
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