南留別志86
荻生徂徠著『南留別志』86
一 「つち」とは神の事なり。「つみ」とも「つち」ともいふなり。いかづち、かぐつち、くにのさづち、たけみかづち、つわたみ、やまつみの類なり。
[語釈]
●いかづち(雷、雷土) 「いか」は「たけだけしい」「荒々しい」「立派」などを意味する形容詞「厳し(いかし)」の語幹。
●かぐつち(軻遇突智) 記紀神話の神。伊弉諾尊(いざなきのみこと)と伊弉冉尊(いざなみのみこと)との間に生まれた火の神。
●くにのさづち(国狭槌尊、国之狭土神) 「日本書紀」の所伝で、天地が初めて開けたとき出現した独化三神の第二神。土地をつかさどる神。
●たけみかづち(武甕槌神、建御雷神) 日本神話で、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が火神を切り殺したとき、剣に付着した血から化生(けしょう)した神。経津主神(ふつぬしのかみ)とともに、葦原の中つ国に派遣され、国譲りの交渉に成功。また、神武東征においても、天皇の危難を救った。鹿島神宮の祭神。
●わたつみ(海神) その地方地方の海、雨、水をつかさどるといわれる。海神。わたつみのかみ。海(わた)の神。
●やまつみ(山神) 山の神。
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