南留別志81

荻生徂徠著『南留別志』81

一 かつうを(活魚)は、供御(くご)に用ふる物なり。延喜式(えんぎしき)に見ゆ。兼好も、古書は見ざるにや。


[語釈]

●供御 天皇の飲食物、時には、上皇・皇后・皇子の飲食物をいう語。武家時代には将軍の飲食物をもいった。くぎょ。ぐご。供御を進献する農民や漁民は,商業上の特権などを与えられたので,御厨子所 (みずしどころ) 供御人の身分を望む者が多かった。 

●延喜式 平安時代の法令集。 50巻。三代式の一つ。延喜5 (905) 年,左大臣藤原忠平らが醍醐天皇の命令により編集。延長5 (927) 年完成。『弘仁式』『貞観式』をはじめ,古代政府の根本法令を補う形でその後発布された施行細則を集大成したもの。実際に頒布されたのは,40年後の康保4 (967) 年。これらは当時の法令の編集が,行政上の必要からなされるよりも,その時代の文化的事業として編集され,一つの記念事業としての意味が強かったからであろうと思われる。内容は律令制社会の全般に及んでいる。

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