南留別志79
荻生徂徠著『南留別志』79
一 物名も、漢語から来れるあり。促織(そくしょく)を「はたおり」といへるは、「はたおる」といふ事にて、漢語につけたる和名なり。
[語釈]●促織 漢語でこおろぎ、はたおりむしのこと。その鳴き声が、寒くなるので早く機(はた)を織って冬の準備をせよと促しているように聞こえることから「機を促す」=促織という熟語となった。意味は以上だが、あくまで漢語だから「ソクショク」であり、訓読は「織るを促す」。訓読を無視して、「はたおり」と読むのは和名としたことによる。
下図は『和漢三才図会』巻五十三より「こほろぎ」
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