南留別志50

荻生徂徠著『南留別志』50

一 「らいしやう籐」といふは、頼政卿の弓の籐のやう(=様)を伝へたるなり。「らいしやう」は、「頼政」といふ事なり。深き道理も、ことなる子細もなき事なり。


[語釈]

●頼政 源頼政(みなもとのよりまさ)、平安後期の武将・歌人。源仲政の長男、母は藤原友実の娘。源三位(げんざんみ)頼政と称す。法名は真蓮・頼円。以仁王に平氏打倒を勧めて兵を挙げたが、敗れて自刃した。武勇に秀で、鵺退治の話は有名である。歌人としても優れ、藤原俊成にも称賛された。治承4年(1180)歿、77才。『平家物語』に鵺(ぬえ)と呼ばれる怪物を弓で退治した説話が記されている。


絵=源三位頼政(歌川国芳画『列猛伝』より)

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