南留別志43
荻生徂徠著『南留別志』43
一 烏帽子(えぼし)は、弁の遺制なり。朝鮮より伝へたるなるべし。折風といふ事、朝鮮よりいへる名なり。詩経に、側弁といへるは、ひらを横にして、かぶりたるをいふ。今の烏帽子をかぶるやうなり。
[語釈]●弁 弁官。律令制で、太政官に属し、文書事務や、諸官司・諸国との連絡などをつかさどった官。左弁官と右弁官に分かれ、それぞれ大弁・中弁・少弁が置かれ、その下に大史・少史があった。おおともい。おおともいのつかさ。弁。 ●折風 風折烏帽子のこと。峰の部分を右または左に斜めに折り伏せた形の烏帽子。右折りは上皇が狩衣とともに用い、左折りは地下(じげ)が用いた。かざおり。
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