南留別志23

荻生徂徠著『南留別志』23

一 平山の季繁が馬を目鴾毛(めつきけ)といふ。今、め白、め黒、め赤といふ地名あり。めぐろを妻驪とかくよしをいへれども、目驪とかく事正しかるべし。目驪(めぐろ)、目騂(めあか)、目驄(めじろ)、皆名馬の名にて、其出でたる地に名づけたるなるべし。武蔵野には、目がはりの馬を出せるにや。


[語釈]●平山 平山氏は武蔵七党と呼ばれた武士団のうち西党の一族。武蔵七党は平安時代末期、武蔵国に発生した小武士団で、横山、西、村山、児玉、丹、猪俣らの各党を総称したもの。平山氏が出た西党は多摩川沿いの土渕庄(現在の日野市、立川市、狛江、あきるの市)に勢力を張り、その祖は日奉宗頼とされている。なお、季繁については不詳。

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