南留別志21

荻生徂徠著『南留別志』21

一 犬追物(いぬおうもの)に、前後左右の騎射あり。古は半弓を用ひたるなり。賀茂の勅使は、履(くつ)をはきながら、馬にのる。古の鐙(あぶみ)は、唐鐙なるべし。古の鞍(くら)、田舎に多し。くらつぼ広く、前輪高く、唐鞍に似たる物なり。茂卿(もけい=徂徠の名)が幼き時、上総国(かずさのくに)の民家にて多く見たり。


[語釈]●犬追物 鎌倉時代から始まったとされる日本の弓術の作法の一つ。 流鏑馬(やぶさめ)、笠懸(かさかけ)と共に騎射三物の一つに数えられる。

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