南留別志20
荻生徂徠著『南留別志』20
一 軍陣に、螺(ほら)をふくは角なり。角は、銅角とて、銅にても作り。又蠡角(れいづの)とて、ほらがひをも用ひしなり。
[解説]合戦において、合図として吹く螺(ほら)は、もともと角を使っていた。角笛である。それから角の形に作った銅製のものや、さらに法螺貝(ほらがい)も用いるようになったとする。日本では法螺貝が使われて角笛は広まらなかったが、儒者の徂徠は、常に起源やそれに類するものと思われるものを中国に求めている。確かに、日本独自のものというのは少なく、文物習慣、さまざまなものが大陸から伝わったものを採り入れたり、適宜工夫して使っている。
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