南留別志7
荻生徂徠著 南留別志 7
一 「完」を「しし」と読むは、「宍」の誤なり。「肉」の古字なり。「辻」は「逵」の草書なるべし。
[解説]「宍」という字は「肉」と同じで、音読みはニク(呉音)・ジク(漢音)、訓読みは「しし」「しん」。「しし」は肉の古語で、「猪」を「いのしし」と読んでいるが、これはもともと「「い」の「しし」」(猪の肉)という意味。ちなみに、「猪」は中国語ではぶたのこと。「鹿」も古くは「かのしし」と言ったらしい。「辻」は国字(和製漢字)だが、徂徠は「逵」の草書体ではないかとする。
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