斉諧俗談207

斉諧俗談 207

〇蝦蟇合戦[がまがっせん]

続日本紀に言う、称徳天皇の御時、神護景雲二年七月、肥後の国八代郡にて、蝦蟇の陣列があった。その広さは七丈ばかり。南に向かって行ったが、日暮れの頃には姿が見えなくなったという。また桓武天皇の延暦三年五月、蝦蟇二万匹が摂津の国難波の南から池に連なること三町ばかり、四天王寺の境内に入ってどこかへ去ったという。また古今著聞集に言う、後堀河帝の寛喜三年の夏、高陽院殿の南にある堀にて、蝦蟇数千匹が左右に対峙して戦った。互いに噛み殺し、半数が死んだ。これが数日続き、京都の人たちが競ってこれを見に来たという。

過去の出来事

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