斉諧俗談174

斉諧俗談 174

〇山童[やまわらわ]

和漢三才図会に言う、九州の深山に山童[やまわらわ]というものがいる。その形は十歳ばかりの童子のようで、体には柿色の細い毛が生えて髪はなく、毛は顔を覆い、脛[はぎ]は短く脚[すね]がない。立って歩き、人の言葉を話し早口である。杣人(そまびと=木こり)たちは別に恐がることもなく、飯などを与えれば喜んで食い、木を伐る仕事を手伝ってくれる。力はとても強い。もし、これに悪さをすれば、大きな災いをもたらすという。


[解説]九州を中心に各地に伝承のある妖怪。名前や姿かたちもさまざま。「やまわろ」が最も多く使われているようです。食べ物をやると木こりの仕事を喜んで手伝うものの、先に与えてしまうと食い逃げしたり、約束した物より劣る物をやると怒るとも。


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