斉諧俗談165

斉諧俗談 165

〇塚本狐[つかもとのきつね]

河内の国丹北郡布忍村[ぬのしむら]に

 〔割注〕俗にののせと云う。

塚本狐というのがいた。里諺(りげん)に言う、和泉の国信田[しのだ]の狐は牝狐である。河内の国の塚本狐は牡狐である。このため、ここから信田へ通うのだということだ。


[語釈]

布忍 今は「ぬのせ」と読む。大阪府松原市にあり。平安時代にはこの地名が存在していた。

信田 今の表記は「信太」。大阪府和泉市に信太山という台地(丘陵)がある。信太の森の白狐の伝説あり。

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