斉諧俗談161

斉諧俗談 161

〇白蝙蝠之毒[しろこうもりのどく]

和漢三才図会に言う、白蝙蝠は雪のように純白で、頭の上に冠がある。仙経に、これを食べた人は百歳千歳の長きにわたり死ぬことがない、と。しかし、これは方士の虚言である。なんとなれば、唐の陳子真(ちんししん)という人がカラスほどもある大きな白い蝙蝠を捕まえて食べたところ、その日の夜に激しい下痢や嘔吐をして死んだと伝えられているからである、と。

斉諧俗談 巻之四 終


[解説]蝙蝠は食用となる種類もあるようで、東南アジアなどでは料理にもなっているようです。また、中国では漢方薬の材料にもされたとか。しかし、安全な食材ではないようで、毒の成分もあり、陳子真が食べたのが蝙蝠なのかどうか判然としませんが、蝙蝠であるとすれば、有毒な種類もある、あるいは毒のある部位があるということになるでしょう。

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