斉諧俗談135
斉諧俗談 135
〇巓頭岩[てんとういわ]
肥前の国黒髪山に、大智院という真言宗の寺がある。この境内に大きな盤[ひらばん]がある。その大きさは五丈余、巓頭岩[てんとういわ]という。伝承に言う、昔、大蛇がいて、この岩に巻き付くこと七回り。その大蛇が棲み付いていた池は今もある。鎮西八郎為朝がこれを射殺してからは人々が安心して暮らせるようになったという。
[語釈]
鎮西八郎為朝 源為朝。1139~1177 平安後期の武将。為義の八男。豪放な性格で、弓術に長じた。13歳の時九州へ追われ鎮西八郎と称し、九州を略取。保元の乱で父とともに崇徳上皇方となり、敗れて伊豆大島に流された。のち、狩野茂光に攻められて自殺。
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