斉諧俗談128
斉諧俗談 128
〇雁卒塔婆[がんそとば]
河内の国讃良郡[ささらこおり]中野村に、雁卒塔婆というものがある。伝承に言う、昔、一人の漁師がいた。ある時、雌雄の雁を射て、一羽の雁を獲た。その雁には首がなかった。不思議なことと思いながらもそのままにしておいた。翌年の同じ日、同じ場所で一羽の雁を射止めた。落ちて来た雁はを見ると、雁の頭を抱いていた。これこそ、去年ここで射止めた首のない雁の首であった。猟師は悲哀の情を催し、その地に卒塔婆を建て、罪業を捨てるべく出家したということだ。
斉諧俗談 128
〇雁卒塔婆[がんそとば]
河内の国讃良郡[ささらこおり]中野村に、雁卒塔婆というものがある。伝承に言う、昔、一人の漁師がいた。ある時、雌雄の雁を射て、一羽の雁を獲た。その雁には首がなかった。不思議なことと思いながらもそのままにしておいた。翌年の同じ日、同じ場所で一羽の雁を射止めた。落ちて来た雁はを見ると、雁の頭を抱いていた。これこそ、去年ここで射止めた首のない雁の首であった。猟師は悲哀の情を催し、その地に卒塔婆を建て、罪業を捨てるべく出家したということだ。
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