斉諧俗談77
斉諧俗談 77
〇大食国[たいしこく](人面樹)
三才図会に言う、大食国は海の西南一千里にあり、山谷の間に住む。その国に樹木があり、枝の上に花が生ずるが、その形は人の首のよう。言葉を理解し、人が話しかけると、ただ笑うばかり。あまり笑い過ぎると、そのまましぼんで落下してしまうという。
[解説]鳥山石燕の『今昔百鬼拾遺』に描かれている「人面樹」が大食国にある人面のような花のある樹を元にしたものです。和漢三才図会では人語を解さないとしていますが、斉諧俗談では拙訳のように言葉は理解できるものの、それに対しては笑うだけで返事をしないということです。
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