斉諧俗談73

斉諧俗談 73

〇犬神人[いぬがみじん]

京都建仁寺の門前に弦女曾[つるめそ]という人がいた。常に沓(くつ)を作っては売っていた。伝承に言う、伝教大師が唐から帰国した際、ある人に教えて沓を作らせた。また、別に弓の弦を作って生計を立てていた。その子孫が代々建仁寺町に住み、毎年六月、祇園会(ぎおんえ)に恒例として子孫が神輿[みこし]を担いだ。世にこれを犬神人[いぬがみじん]という、と。

過去の出来事

過去の本日の朝廷や江戸幕府の人事一覧、その他の出来事を紹介します。ほかに昔に関する雑記など。