斉諧俗談69

斉諧俗談 69

斉諧俗談 巻之三

〇怪産[あやしきさん]

伝承に言う、二条院の御代、永万元年に、頭が二つに手が四本、足が三本の児[ちご]を産んだ者があった、と。

史記に言う、陸終氏の妻は、左の脇より三人の子を産み、右の脇より三人の子を産んだ。六人の子の子孫が代々国に続いたという。また魏志に言う、屈雍[くつよう]の妻は、右の腋の下、小腹の上より男子を産んだ。その瘡[あと]も癒えて母子ともに無事である、と。また異苑[いえん]に、興李宣[きょうりせん]の妻が妊娠し、額[かしら]の上に瘡[かさ]ができるや、その瘡から子が生まれた。その子は成人して軍将となったという。また趙宣の母は妊娠してからももの上がかゆくなり、それをかくと瘡となった。やがてその瘡から子が出生した。広博物志に言う、後魏(こうぎ)の粛宗(しゅくそう)の時、煕平(きへい)二年、韓僧真の娘は、母の右の腋より生まれた。時珍が言う、大明[たいみん]の隆慶五年二月に、唐山県の民の婦人が妊娠し、左の腋が腫れ上がるや、そこから子が生まれたという。

過去の出来事

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