経典解題43
【経典解題】43
文殊師利所說不思議佛境界經
もんじゅしりしょせつふしぎぶっきょうがいきょう
唐の菩提流支の訳。二巻。六根と六識の境界を越えるには如何にしたらよいかを文殊菩薩が説き明かすという形式を取る。不思議とは、人間の思慮・言葉では量り知れない、絶対的な道理のこと。佛境界とは、佛の悟りの世界・境地。
[冒頭部分の翻刻と訳文]
如是我聞、一時,佛在舍衛國祇樹給孤獨園,與大比丘衆一千人、菩薩十千人俱,復有欲界諸天子、色界諸天子及淨居天子,並其眷屬無量百千周匝圍繞,供養恭敬聽佛說法。
爾時,佛告文殊師利菩薩言「童子,汝有辯才,善能開演,汝今應為菩薩大眾宣揚妙法。」
時,文殊師利菩薩白佛言「世尊,佛今令我說何等法」
佛言「童子,汝今應說諸佛境界。」
文殊師利菩薩言「世尊,佛境界者,非眼境界、非色境界、非耳境界、非聲境界、非鼻境界、非香境界、非舌境界、非味境界、非身境界、非觸境界、非意境界、非法境界,無如是等差別境界,是乃名為諸佛境界。世尊,善男子、善女人,有欲入於佛境界者,以無所入而為方便乃能悟入。」
爾時,文殊師利菩薩白佛言:「世尊,如來於何等境界而得菩提」
佛言「童子,我於空境界得菩提,諸見平等故;無相境界得菩提,諸相平等故;無願境界得菩提,三界平等故;無作境界得菩提,諸行平等故。童子,我於無生無起無為境界得菩提,一切有為平等故。」
時,文殊師利菩薩復白佛言:「世尊,無為者是何境界?」
佛言「童子,無為者非思量境界。」
文殊師利菩薩言:「世尊,非思量境界者是佛境界。何以故。非思量境界中無有文字,無文字故無所辯說,無所辯說故絕諸言論,絕諸言論者,是佛境界也。」
その時、仏陀は文殊菩薩に言いました。「坊や、あなたは雄弁で、説法が上手だ。さあ、菩薩の衆にこの素晴らしい法を説きなさい。」
そこで文殊菩薩は釈迦にこう言いました。「世尊よ、釈迦は今、どのような法を私に説くようにとお命じになっているのですか?」
仏陀は言いました。「坊主よ、今度は仏陀の領域について説明するべきだ。」
文殊菩薩はこう仰せられた。「世尊よ、仏の境地は、眼の境地でもなく、色の境地でもなく、耳の境地でもなく、音の境地でもなく、鼻の境地でもなく、嗅の境地でもなく、舌の境地でもなく、味の境地でもなく、身の境地でもなく、触の境地でもなく、意の境地でもなく、非法の境地でもない。このような区別された境地はない。これを諸仏境地という。世尊よ、仏の境地に入りたいと願う善男善女は、『無入』の方便によって悟りを得ることができる。」
その時、文殊菩薩は釈迦に尋ねました。「世尊よ、如来はどの境地で菩提を得られたのですか?」
仏陀は言いました。「息子よ、私はすべての見解が平等であるため、空の領域で菩提を得た。すべての色は平等であるため、無色の領域で菩提を得た。三界が平等であるため、無欲の領域で菩提を得た。すべての実践が平等であるため、無作の領域で菩提を得た。息子よ、私はすべての縁起が平等であるため、無生、無始、無作の領域で菩提を得た。」
そこで文殊菩薩は再び釈迦に尋ねました。「世尊よ、無為の境地とは何ですか?」
仏陀は言いました。「若者よ、無為の状態は思考の領域を超えている。」
文殊菩薩はこう言いました。「世尊よ、思念を超えた世界こそが仏陀の領域です。なぜでしょうか?思念を超えた世界には言葉がありません。言葉がないからこそ議論がなく、議論がないからこそすべての議論が超越されているのです。すべての議論を超えたものこそが仏陀の領域なのです。」
※図はこちら→ https://note.com/11111hiromorinn/n/n8ed661a94220?app_launch=false
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