1926年3月4日

1926年3月4日 大正15年

【内 閣】

第1次若槻礼次郎内閣

総理 若槻礼次郎/外務 幣原喜重郎/内務 若槻礼次郎/大蔵 濱口雄幸/陸軍 宇垣一成/海軍 財部彪/司法 江木翼/文部 岡田良平/農林 早速整爾/商工 片岡直温 /逓信 安達謙藏/鉄道 仙石貢/内閣書記官長 塚本清治/法制局長官 山川端夫

【元 老】

西園寺公望

【宮中主要官】

内大臣 平田東助/宮内大臣 牧野伸顕/枢密院議長 浜尾新/枢密院副議長 一木喜徳郎

【軍部高官】

[陸 軍]

陸軍次官 白川義則/軍務局長 畑英太郎/参謀総長 河合操/参謀次長 武藤信義/教育総監 大庭二郎

[海 軍]

海軍次官 岡田啓介/軍令部総長 山下源太郎

【植民地高官】

朝鮮総督 斎藤実/台湾総督 内田嘉吉/関東長官 児玉秀雄/樺太庁長官 永井金次部/南洋庁長官 横田郷助

【東 京】

府知事 宇佐美勝夫/市長 中村是公


田中義一機密費横領事件問題化。憲政会中野政剛、衆議院で田中義一政友会総裁が陸相時代にシベリア出兵関係の機密費を横領したとして追求。関係議員を査問に付する動議可決。政友会、中野がソ連の手先だと逆宣伝。政友・憲政両党間の対立激化。5日 元陸軍大臣官房付二等主計三瓶俊治、田中を告発。12.27 不起訴。

陸軍機密費横領問題は、田中義一が立憲政友会入りする際の「持参金」300万円の出所に関わる疑惑。陸軍大将であった田中が1925年に政界に転身し、立憲政友会入りをした際に、300万円の持参金を用意していた。出所について尋ねられた田中は、神戸の実業家・乾新兵衛から借りたと言っていたが、シベリア出兵の際の陸軍機密費を横領して乾に渡し、それを乾が公債に替えて田中に渡したものではないか、という疑惑が持上った。1926年(大正15年)3月4日に衆議院で憲政会の中野正剛代議士がこの問題を取り上げ、帝国議会でも審議されたが、10月30日、この問題を追及していた石田基次席検事が大森-蒲田間の鉄橋下で変死体となって発見され、疑惑はうやむやのうちに終わった。他にも田中には同じ長州藩にルーツを持つ藤田組との関係が強く、その一族の久原房之助の政界入り及び初当選直後の閣僚抜擢についても何らかの金が動いたのではと言われた。石田検事の変死は、松本清張の『昭和史発掘』にも取り上げられている。松本は、鉄道をめぐる怪事件として、戦後に起きた「下山事件」との共通点を論じている。

過去の出来事

過去の本日の朝廷や江戸幕府の人事一覧、その他の出来事を紹介します。ほかに昔に関する雑記など。