斉諧俗談34

斉諧俗談 34

斉諧俗談 巻之二

〇性空上人画像[しょうくうしょうにんのえぞう]

古今著聞集(ここんちょもんじゅう)に言う、花山法皇が書写山に行幸され、性空上人に御対面の時、密かに画工に命じて上人の肖像を描かせた。すると、にわかに山が動き地面が揺れた。法皇は恐れおののかれた。上人が言うに、「恐れめさるな。我が姿を写させられたために起きたのです」と。かつて上人の顔に小さなほくろがあった。画工はそれを知らず、いまだ描いていない。かの地震に驚き、持っていた筆を落とすと、墨が飛び散り、その一つが肖像にかかったが、ちょうどそれがほくろのようになったので、人々はみな感心した。この絵は今も書写山の宝蔵にある、と。


[解説]性空上人と花山天皇については、こちらの説明が詳しいですね。→

http://www.shosha.or.jp/history2.cgi

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