斉諧俗談34

斉諧俗談 34

〇金剛力士[こんごうりきし]

秦の始皇帝の時、天竺より宝利房(ほうりぼう)などの沙門(しゃもん)十八人が長安という所に来た。始皇帝はただちに捕らえて獄中に繋いだが、その夜、金剛力士が来て、獄の墻を破り、全員を逃がしたということだ。

斉諧俗談 巻之一 終


[語釈]

金剛力士 (梵: वज्रपानि、vajrapāni)、仏教の護法善神(守護神)である天部の一つ。 サンスクリットでは「ヴァジュラダラ」と言い、「金剛杵(こんごうしょ、仏敵を退散させる武器)を持つもの」を意味する。

宝利房 不詳。

沙門 出家して修行する人。仏教の修行僧。桑門、勤息、貧道とも言う。後に仏教では比丘(びく)と同義になった。


[解説]この話は出典が明記されておらず、それ以前に仏教伝来のはるか昔の始皇帝の時代にこのような話があるはずもなく、なにか別の話に始皇帝が仮託されたのかもしれない。

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