斉諧俗談27

斉諧俗談 27

〇三輪拝殿[みわのはいでん]

奥儀抄(おうぎしょう)に言う、「大和の国三輪大明神には、ただ一の鳥居、二の鳥居、楼門、拝殿があるだけで、神殿がない。土地の人たちは神殿がないのをいぶかしく思い、神殿を造営した。すると、多くのカラスが群がり来て、神殿の材木をつつき破った。神殿に使った材木の出所が分からないことから、三輪の神はこの神殿を好まれないのだろうと言い合った」と。


[語釈]

奥儀抄 平安後期の歌論。藤原清輔著。1124年(天治1)から44年(天養1)ごろに著され,はじめ崇徳天皇に,のちに増補して二条天皇に奉られた。3巻から成り,上巻には六義(りくぎ)や歌病(かへい∥うたのやまい)などについて総論的に述べ,中・下巻には難しい歌語を注釈し,歌体についても論及する。歌語の注釈は,《古今集》歌を対象とするものが40%を占め,漢籍を主体とする諸書を博捜した考証に,歌門たる六条藤家の著作らしい特色がある。(世界大百科事典 第2版)

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