斉諧俗談21

斉諧俗談 21

〇貝寄風[かいよせのかぜ]

摂津の国天王寺において、毎年二月二十二日に聖霊会というものがある。その日は舞楽が行われ、餝(かざり)として大きな造花が使われる。花に小さい螺[ほら]の貝殻を付ける。寺の役人が住吉の浜に出て、螺の貝殻を拾い取る。毎年二月十八日に暴風が吹き、その後この貝を吹き寄せるという。


[語釈]

貝寄風 冬の季節風のなごりに新暦の3月下旬ごろ吹く西風。 この風で大阪住吉の浜辺に打ち寄せられた貝から造花をつくり四天王寺の聖徳太子をまつる聖霊会(しょうりょうえ)に献じたという。春の季語になっている。

 

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