斉諧俗談13
斉諧俗談 13
〇河伯使者[かはくのししゃ]
神霊経に言う、「四海の上に人がいる。赤いたてがみのある白馬に乗り、白い衣を着、黒い冠を被り、十二人の童子を従え、飛ぶように馬を走らせる。名付けて河伯の使者という。この使者が行く国は、必ず雨が降る」と。
[語釈]●河伯 中国神話に登場する黄河の神。人の姿をし、白い亀、あるいは竜、あるいは竜が曳く車に乗っているとされる。白い竜の姿、もしくはその姿に変身するとも、人頭魚体ともいわれる。もとは冰夷(ひょうい。憑夷とも)という人間の男であり、冰夷が黄河で溺死したとき、天帝から河伯に命じられたという。道教では、冰夷が河辺で仙薬を飲んで仙人となったのが河伯だとする。若い女性を生贄として求め、生贄が絶えると黄河に洪水を起こすとされる。 ●神霊経 逸書(もとの書は失われ、断片が「太平御覧」などの類書に引用されている)。
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