斉諧俗談2

斉諧俗談 2

  〇星隕成石(星おちて石と成る)

陸奥・出羽の両国において、夏の夜の晴れた時、星の落ちることがある。その形は流星のようで、白い光を引いて走りながら落ちる。このような所がおよそ五・六か所もある。屋根から下では見えない。星の落ちた場所に物がある。形は葛餅[くずもち]のごとし。これを星屎[ほしくそ]という。夏以外の月は多く雪があるために見られない。他国ではないという。

大明[たいみん]の万暦[ばんれき]子(ね)の年十二月二十五日、四川[しせん]の順慶府において、風もなく雲もないのにたちまち雷鳴が轟き、六つの石の塊(かたまり)が落ちてきた。その重さはあるいは十五斤、小さいのは一斤、あるいは十余両という。また東国通鑑[とうごくつがん]に言う、「高麗の文宗王の時、正月に黄州へ石が落ちることがあった。その音は雷のよう。落下した石を文宗王に献上した。礼司[れいし]が申し上げるに「昔、秦の時代に星が落ちることがあり、晋・唐より以降、しばしば落ちて常のことであります。災いではございませぬ」と言って、その石を返却した」と。

過去の出来事

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