政談460

【荻生徂徠『政談』】460

(承前) 本書の肝心な所は、武家が知行所に住まず城下に旅宿のごとく住んでいることと、諸事の根本となる制度がないこと、この二点に帰結する。戸籍を確立して万民を本来の土地に定住させること、町人・百姓と武家との制度の違いを明確に定めること、大名家の困窮を防ぐための制度を立てること、各地の産物の幕府買い上げをやめること、およそこれらを行えば世の中は揺り返して豊かになるはずである。上ばかり倹約して財政が回復しても、それにより万民が困窮すれば何にもならない。上下ともに富み豊かになり、徳川の御代が長く続くことを願いあげるものである。

過去の出来事

過去の本日の朝廷や江戸幕府の人事一覧、その他の出来事を紹介します。ほかに昔に関する雑記など。