政談459
【荻生徂徠『政談』】459
●右四冊大意の事
右四冊の物語に瑣細な事まで記したのは、今は法の立て方が未熟で、大きな所には法を立てず、些末な所にばかり法を立てているため、世界に締まりがなく、世間の風俗は乱れ、今は法は法として立ててありながら、それを守るべき人々は別の世界にいるような状況となり、法がないがしろにされていることを上様にお知らせしようとしたためである。現在の事について、見たり聞いたりした事を書き付けたが、さだめし私の取り違えもあるかもしれないし、思い違いもあることだろう。ただ、政治の道は一つひとつが別々なのではない。世の成り行き、世界の全体を知ることが肝要である。
[解説]本書のまとめ、跋(ばつ)文である。
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