【諸乗法数】6-45
【諸乗法数】6-45
六着心
華厳孔目章
貪
愛
瞋
痴
欲
慢
註 執着する心の六種類。煩悩の原因となる。修行はこれらから自己を解放するためになされるが、生きている限り完全に無くすことはできない。心そのものを無くすことは不可能だし、もし無くすとすれば、それは死以外にはない。仏教は欲との闘いの宗教ともいえる。肉体を限界ぎりぎり、時には限界を超えた荒行、苦行によって乗り越えようとする宗派があったり、欲は欲としてそのまま認め受け入れる、成仏はその先にあるのだと説く高僧がいたり。また、思想として追求する学僧も多く、煩悩(欲)とは何なのか、どこから生じるのか、欲にもいろいろあるが、それらは別々なのか、根本は一つなのかなど、議論や思索は深まりこそするものの、明快な答えは出てこない。だから「空」だと言う人もいる。さらに、修行をするという思いや行動そのものも欲であるとする人もおり、釈尊の法(おしえ)や思いからどんどん離れている感じがするが、実はこれらすべての行き着く所が「法」であるという思いもする。あくまでしろうと考えであるが。修行や思索そのものが尊く、何かが得られるとか分かるといったことはその外である、という人もいるが、生きていると不安ばかりが募る生者にとって、一心不乱に励むことで負けない心を持つ、そういうことなのかもしれない。
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