【諸乗法数】6-19

【諸乗法数】6-19

六種力 

阿含(經)


小兒啼         刹那滅

女人嗔         果俱有

沙門忍  爲力種子識交 恒隨轉

國王憍傲        性決定

羅漢精進        持衆縁

諸佛慈悲        別自果


世間で通用する六つの力。

小児は泣いて己の欲する所を訴える。

女人は瞋恚(しんい)の力で己の欲する所を果たす。

沙門は忍辱の力で衆生から崇められる。

国王は驕慢の力で国を支配する。

羅漢は精進を以て涅槃に至る。

諸佛は慈悲を以て衆生を救う。

『増一阿含経』巻三十一に見える。


疏 女性は気に入らないと怒ったり怨んだりして自分の思う通りにさせようとする、というのは、いかにも男尊女卑の見方であり、男性でもわがままで自分の意に沿わないと乱暴したりふてくされたりするものである。『論語』にも孔子の言葉として「女子と小人(しょうじん)とは養い難い。近づければ馴れ馴れしくし、遠ざけると怨むからだ」というのがあり、古来より問題視されている。但し、論語のほうは侍女と召使のこととする説があり、この場合は限定的となるが、この説が正しいという根拠はない。仏教も論語(儒教)ももともと男性による男性のための教えであり、この点を無理に糊塗したりせず、その教えを克服し前進させるのが後世の我々の務めである。


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