【諸乗法数】6-12
【諸乗法数】6-12
六苦行
外道
自餓
投淵
赴火
自坐
寂黙
牛狗戒
註 釋迦が否定したそれまでの諸宗教の苦行六種。『大本涅槃経』に見える。
自餓外道 断食の行(ぎょう)。
投淵外道 寒中に冷たい淵に身を浸す行。
赴火外道 熱暑の最中に火を以て我が身を焼く行。
自坐外道 寒暑に拘らず裸形で座り続ける行。
寂黙外道 墓地に座り一切口を利かぬ行。
牛狗戒外道 前世は畜生と見なし、その償いと称して牛や犬の生態を真似る行。
インドにあるいろいろな宗教のうち、仏教は早くからこういった難行苦行を否定し、もっぱら瞑想を主としているが、他の宗教では現在でも体中に白い泥を塗って終始無言を貫くのをはじめ、ひたすら肉体の限界を超えるほどの苦行を続けるものがある。現在のわが国でも、生命の危険を及ぼすほどの荒行をする宗派、寺院があり、これらはあくまで自主的で必ずしなければならないという所はないものの、所定の荒行を貫徹したほうが階級が上がったり住職になれるといった規定を設けていて、旧軍隊の特攻のように志願制でありながら拒否しづらいようにしているのなどは釋迦の苦行否定に背くのではないだろうか。
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