政談448
【荻生徂徠『政談』】448
(承前) 大名の参勤などの節、御側衆・若年寄の中から学問のある人を使者として、その大名の在所の事、政務の筋または名所・古跡の事などを尋ねられ、もしくは一年に一度ずつも御城で詩の会でも開催するようにしたいものである。昔、後水尾帝が二条城へ行幸の時、歌会が催された。また、毎年御城で嘉例として連歌の歌会も開かれていることであるから、やってできないことはない。諸大名や御旗本に対して出席するよう仰せつけられ、御料理でも出してもてなし、管弦でも仰せつけられたならば、御代の飾りともなろう。
[語釈]●連歌の歌会 徳川家では三河以来の嘉例として、毎年正月二十日に連歌の歌会を催した。なお、二十日以外に行われた年もある。
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