【諸乗法数】5-146

【諸乗法数】5-146

洗浴五利 

十誦(律) 


除垢 

身淸淨 

除寒冷 

除身中風

得安穏


註 入浴によって得られる五つの利益。垢を去り、身を清浄にし、寒冷を去り、病になる事を防ぎ(この中風は悪い風に中ると解する)、心が安らぐ。

出典は『十誦律』とあるが、根本経典は後漢の安世高訳の『温室洗浴衆僧経』。


疏 修行も荒行になると寝食から入浴まで制限し、肉体を限界に追い込むことで精神を鍛え欲望から脱却するということが説かれるが、度を越した修行によって死んだり病気になっては決して正しい行とはいえない。人はそれぞれ能力的に違いがある。すべての修行者に同一の事を課しても、それをこなせる人もいれば無理な人もいる。しかし、閉ざされた世界での修行は全体主義になりやすく、違いや個性を認めない。そのような中、このお経は異質ともいえるもので、むしろ養生を奨励し、養生こそが根本であることを説く。髪やひげをのばし放題でひたすら荒行に臨むのもよいかもしれないが、そればかりではないということも教えにはある。

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