政談440

【荻生徂徠『政談』】440

 ●学校の内、武芸の稽古所を立つる事

 軍法(兵法)ならびに弓馬・鑓(やり)剣術等の武芸も、その源は六芸(りくげい)より生まれたもので、古今・和漢の相違を知らなければ理解することはできない。古今・和漢を知るには、学問をしなければ不可能である。されば、備前や長門などのように、学校の中に武芸の稽古所を立てて稽古させるのがよい。今の儒者は武芸に疎く、武芸者は学問を軽視するのはよくない。 (この項以上)


[語釈]●六芸 中国古代の周王朝で士以上の階級の必須科目。礼・楽(がく)・射(弓術)・御(ぎょ。馬術)・書・数。

過去の出来事

過去の本日の朝廷や江戸幕府の人事一覧、その他の出来事を紹介します。ほかに昔に関する雑記など。