【諸乗法数】5-92
五五百年
第一 解脱
第二 禪定
第三 五百年 多聞 堅固
第四 塔寺
第五 聞諍
註 五百年を一区切りとして、次第に佛法が衰えていくのを五つに分けたもの。いわゆる末法思想。 釋迦の死後の佛法の衰退を五段階に現す。解脱堅固から遂に闘(聞は誤刻)諍堅固に至る。『大集経』巻55に説く。
解脱堅固[げだつけんご] 仏道修行する多くの人々が解脱する、生死の苦悩から解放されて平安な境地に至る時代。
禅定堅固[ぜんじょうけんご] 人々が瞑想修行に励む時代。
読誦多聞堅固[どくじゅたもんけんご] 多くの経典の読誦とそれを聞くことが盛んに行われる時代。
多造塔寺堅固[たぞうとうじけんご] 多くの塔や寺院が造営される時代。
闘諍堅固[とうじょうけんご](闘諍言訟[とうじょうごんしょう(白法隠没[びゃくほうおんもつ])) 仏の教えの中の論争が絶えず、正法が見失われてしまう時代。
堅固は変化、変動しない様をいい、定まっていることを意味する。五箇の五百歳ともいう。解脱・禅定堅固は正法時代、読誦多聞・多造塔寺堅固は像法時代、闘諍堅固は末法とされる。この考え方からすれば、現代は末法の世で、次の佛とされる弥勒菩薩が弥勒如来として降臨される56億7千万年後まで無佛の状態となるが、この間、既に如来の資格がある地蔵菩薩が現世にとどまり、人々を見守り導くとされる。地蔵信仰が盛んなゆえんでもある。
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