政談431
【荻生徂徠『政談』】431
(承前) 売買が許される永業田という法を見るに、今の百姓の田地はそれぞれ金を出し合って買ったものであるから、何かあれば売ろうとするのも道理である。売ることを禁止するのは理にかなっていない。無理に禁止すれば、これは譲り受けたものだと言ったり、借金の手形を偽造するなどして、いろいろ不法なことをやらかすようになる。奉行も偽りと知りながら、法を立てるために却って不正を許すことになる。結局、無理に田地の売買を禁止すれば民に不正の智恵を教えることになる。 (この項以上)
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